ADE・OEL設定支援サービス

高活性医薬品製造施設の封じ込め方針を設定するためには、対象医薬品のハザードレベルを把握する必要があります。
当社は、米国の専門コンサルタントであるDr. Sargent(元メルク社主管毒性学者)との提携により、対象医薬品の原薬の1日曝露許容量(ADE)、職業曝露限界(OEL)の設定支援サービス(Monograph)を提供しています。

なぜ、ADE/OELを設定しなければならないのか?

科学的根拠に基づくリスクベースアプローチは、あらゆる産業の品質管理に適応が不可欠とされてきています。ICH Q9(品質リスクマネジメント)の制定を機に、この考え方は、医薬品の品質管理や産業衛生(薬剤による作業者への健康障害リスクの低減)の面で適用が進んでいます。また、FDA、EMAやPIC/Sは、この考え方を基にそのGMP要件の見直し、GMP適合施設の交叉汚染防止要件の見直しを進め、GMP関連図書の改定や新たなガイドラインの作成が具体化されつつあります。2014年9月にEU-GMPの交叉汚染防止要件が正式に改定されたのを機に、交叉汚染リスクアセスメントをしていない、或いはできない医薬品こそが専用化設備で製造しなければならないことになります。

こうした考え方を進めていく際に、リスクの特定を科学的根拠に基づく指標で判断していくことが求められています。例えば、従来、交叉汚染の許容限界は、1/1000、1/10000、10ppm、或いは目視限度値を基準に考えられてきました。こうした基準は、"科学的根拠"に基づく指標となるのでしょうか?生理活性のそれほど高くない一般薬では、こうした指標は十分すぎるほどに交叉汚染限度値を満たしてきました。しかしながら、専用化の必要性が議論されてきた高活性医薬品では、こうした基準では議論が先に進みません。何故ならば、科学的根拠に基づく交叉汚染限度値が設定されていないからです。科学的根拠に基づく交叉汚染限度値とは何でしょうか?それは、健康への影響を科学的に評価して設定される値ということになります。そして、そこから導かれる重要な指標がADEということになります。

ADE・OEL設定支援サービスの流れ

※1 ADE・OEL Monographのタイプ
1) タイプA

既に欧米の毒性学者によってADE・OELが設定され、専門家会議データベースに登録されている原薬については、既に作成されたMonographを精査し、Dr. Sargentが改めてMonograph(英文)を作成し提供します。

対価:$1,650/品目+当社仲介手数料(10%)
納期:2~3週間

2) タイプB

専門家会議データベースにADE・OELが登録されていない原薬については、治験薬概要書(IB:Investigator's Brochure)や公開されている毒性データから、 Dr. SargentがMonograph(英文)を作成し提供します。

対価:$7,500/品目+当社仲介手数料(5%)
納期:2~4週間

【注記】 当社(ファルマ・ソリューションズ)は、提供したMonographの内容に対して責任を負うものではありません。Monographの内容を採用するか否かは、それを受け取った企業、組織の責任においてご判断ください。

毒性学関連コンサルテーション

Monograph作成業務以外の毒性学者の経験と知見をもとに提供するコンサルテーション業務も受け賜わります。 依頼内容に基づいてお見積りをいたします。基本的には、Dr. Sargentの実働時間単価は$360となります。

用語解説

ADE(Acceptable Daily Exposure):1日曝露許容量

ある物質(薬剤)が、いかなる経路からも生涯にわたって毎日曝露しても、これ以下の投与量では有害な作用を引き起こし得ない曝露量。

OEL(Occupational Exposure Limit):職業曝露限界

曝露の主要な侵入経路である吸入に焦点をあて、環境中の浮遊物濃度(空気1m3当たりの質量)で表す。
作業者が、1日当たり8時間(40時間/週)対象物質が飛散する雰囲気で一般的な労働を行って、その労働をたとえ一生涯続けたとしても、健康に対する悪影響が予想されない曝露濃度。

【注記】ADEとPDEは同意語である。ADEはFDAが医薬品に限定して定義した用語であり、PDEはEMA、ICHで医薬品に限らず食品や不純物に対しても適用されている。

Dr. Sargent 略歴

サージェント博士は、コネティカット大学で生物学の学位を、エール大学で公衆衛生学の修士号を、ニューヨーク大学で毒性学の博士号を取得され、米国メルク社に入社されました。米国メルク社の上級ダイレクターとして長年に亘り、毒性学、労働衛生、環境リスクアセスメント及び規制順守の分野で指導的立場で活躍されました。2006年に米国メルク社を退社、2007年にEV Sargent LLC社を設立され、医薬品に関する毒性学、労働衛生学に関するコンサルテーションを提供し、また、ラトガース大学公衆衛生学部の非常勤教授を兼任されています。幾多の記事の執筆や講演会、毒性学、労働衛生学関連の委員会での活動、ISPEベースラインガイドRisk-MaPP作成での貢献など、American Board of Toxicology (米国毒性学会による毒性学者認定機関) の認定トキシコロジストとして産業界や学界の発展に大変寄与されています。